Presencing Somatics Trillium Institute Japan - Manual Therapy for Personal Transformation

プレゼンシング ソマティクス
身体と心、人生を変容させる手技療法
 
 身体の痛みや不調、精神的な苦しみなど、様々なことに対応しているのは手技療法家や看護、ケアワークに携わる人々です。私たちは本来、人の手助けをしたい思いでこの仕事を選択しているのではないでしょうか。ところが、力を用いたり身体を疲弊させたりすることで疲れ切ってしまい、クライエントの同じ症状に何度も繰り返し施術し、世間話やクライエントの不平不満を聞き続け、自分がしていることの意義が見出しにくくなっている方の声もよく耳にします。

 プレゼンシング ソマティクスは、米国の手技療法家、看護師、理学療法士、マッサージや鍼灸等各セラピー、カウンセラーといった専門職の人たちを対象に継続的な教育を行うジャック ブラックバーンが発展させて来た手法です。
 身体の中で、何が起こっているのかを感覚して分かっている状態(ソマティクス的意識状態)になり、今この瞬間にあることを自ら選択する(プレゼンシング)手技療法がこのプレゼンシング ソマティクスです。
 私たちは、症状があると身体から意識を外して施術者や医師などに「治して」貰おうとしますが、もしも身体を内側から意識し、痛みや症状との関係性を変えたなら、私たちは自分自身と人生との関係性をも変化させることができるのです。これはクライエントや患者の側だけではなく、施術者側にも当てはまります。被施術者だけではなく、施術者であるあなた自身にも人生の変化と真の意味での癒しを生み出すのがプレゼンシング ソマティクスなのです。
 
痛みを伴わない技術
 痛みを伴う施術では、何が起こっているのでしょうか。強張りや痛みにさらに圧や負荷を加えることで、元々の症状を圧倒した場合、所謂揉み返しや症状のぶり返しが起こります。さらに痛みを加えられると、組織の至る所にあるゴルジ腱紡錘というセンサーが防御反応を引き起こすので、根本的な解放には至れません。
 では、痛みを伴わない技術は効果を生み出せるでしょうか。
 
ディコンプレッション ソマティクス
 強張っている筋、関節、結合組織は既に過剰に働いており、痛みや症状でこれ以上動かしたり負荷をかけたりしないよう「警告」を発しています。ディコンプレッションは、「緊縮」や「縮める」ことを意味しますが、既に強張っている組織をさらに縮め、組織自体がしている働きを助長します。すると、その組織はもうそれ以上の働きをしなくてもよい状態になるため、縮められた状態のなかで解放を始めます。これは理学療法などで用いられるポジショナル リリースの原理です。私たちは、ここに身体を意識するソマティクスを加えて行きます。
 クライエントが自分の身体部位を感じることで、その人自らが解放と癒しへと意識的に参加していきます。その時、クライエントは今にしか存在しない自分の身体を感じ、自分の本当の存在との繋がりを感じる瞬間を経験し始めます。施術者は、柔らかい手と適切なコミュニケイションを用いつつ、クライエントが身体を感じて解放を促せるよう手助けして行きます。
 この技術は、各身体部位の関節、筋、結合組織全てに用いることができ、穏やかで侵襲性がなく、被施術者にも施術者にも「やり過ぎ」や負担をかけることがありません。
 
サイド-ライイング ソマティクス
 横寝は、多くの人にとって安心できる姿勢です。これを妊婦だけに使うのではなく、首、肩、腰の問題や虐待の経験がある人々、勿論一般のクライエントにも適応させたのがこの技術です。適切なボルスタリング(支え)を入れ、クライエントが最も居心地よく横寝になれるようにし、身体に心地よい動きを入れて行きます。この動きは、施術者にとっても負担がなく、まるで一緒にダンスを踊っているかのような快適さが味わえます。
 穏やかでリズムにのった動きを入れると、圧を加えることでは到達できない関節の奥深くにも影響を与えられるのみならず、関節と筋が独立した動きをする効果で深い解放を促せます。身体部位それぞれに適切な動きを加え、普段の立位や座位では制限されてしまっている三次元的な動きを脊柱に生み出し、身体本来のもつ表現力を取り戻す手助けができるのです。まるで胎児の姿勢になって、自分のリズムで動かしてもらうのは、恐らく誰しも乳児期以降経験していないのではないでしょうか。
 この快適な施術はただ心地よいだけではなく、「今」という瞬間を被施術者と施術者が共に感じ、身体にあることの歓びを再発見できる機会となります。
横寝になることで、特定の関節の負荷を減らし、重力を最大限に利用し、様々な可能性を広げられる手技になって行きます。あなたの今のセッションに、サイドの技術を10分でも加えてみて下さい。その効果に驚くことになるでしょう。
 
コミュニケイション
 施術中、ケアをする間、あなたは相手と会話をしていますか。殆ど話さない施術者はたくさんいます。また、世間話や不平不満に耳を傾けて、その会話に参加している人も多いでしょう。こうしたコミュニケイションは、ほんとうに被施術者のためになっているのでしょうか。また、施術者にとってはストレスになっている、あるいはただ作業を無意識的にこなす一因となっているかもしれません。
 プレゼンシング ソマティクスは、「今」の瞬間を共有することにも焦点が当てられます。今を感じるための言葉の使い方、今何を感じているかを知り、安全性のためのフィードバックを被施術者から引き出す方法、身体に意識を向けられる問診のしかた、施術者にとっても有用な情報を引き出す言葉のやり取りのしかた、効果的な間の取り方、適切な境界線を保ちつつ、真の共感と癒しの歓びを分かち合えるコミュニケイションのしかたは、今すぐにでも可能なのです。こうした方法によってあなたと被施術者の関係性、お互いのありかたに大きな違いが生まれて来ます。
 
 手技療法家や看護、ケアに携わる人にとって、患者やクライエントが生き生きと輝くような笑顔を見せてくれることは何ものにも代え難い喜びです。そして、私たち自身が、施術をする側として相手の癒しと生きる歓びを手助けする喜びを味わい、生命を掌と身体、言葉で感じられる瞬間を愛おしく思えるのはまさに贈り物ではないでしょうか。私たちは、ただ症状を緩和し、「なおし」ているのではないのです。人間として生きている身体を通して、私たちの生命がひしひしと息づいている事実をもう一度感じられる機会を提供しているのです。その瞬間に、手を触れられている人とあなたは、個を越えた存在として共鳴し、判断や条件付けのない今という瞬間を感じることになります。施術やケアは相互的な働きであり、お互いに癒しをもたらし、私たちが本質から生きる道を拓いてくれるものなのです。
 
*従来のエステティック技術に加えて適用できるディコンプレッション ソマティクスは、クライエントの本来の美しさや自然な表情のありかたを引き出します。また、リフレクソロジーだけでは到達しにくい全身とバランスへの影響には、足に特化したフット ディコンプレッション ソマティクスで心身に新しい感覚を生み出すことができます。